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非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

2008.04.13(23:47)
非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

少し前に見てきました。
ヘンリー・ダーガーは、アウトサイダー・アートの分野ではおそらく一番有名な画家です。
ただの貧しい老人と思われていた彼が、脚が悪くなって救護施設に入れられた後、大家が彼の部屋に見つけた15000ページにもわたる壮大な絵巻。
それが、彼が誰にも知られずコツコツと作り上げた少女たちの戦いの物語『非現実の王国で』だったのです。

これを見つけた大家は彼自身が芸術家でもあったことから驚きつつもその価値を認め、部屋とその作品の公開(現在は取り壊されています)をして、ここに、「画家・ヘンリー・ダーガー」が誕生したのでした。

しかし、本人はほとんど無名のまますぐに亡くなりました。
(ただし、世間の評価が本人にとって意味があるのかどうかはアヤシイところです。)

かなり数奇な人生を歩み、結果的には自分の世界にひきこもり、世界を拒絶しているかに見えるような彼の人となりを知る人間はごく限られています。

この映画は、彼を実際に知る人々の声と、彼の残した作品をアニメ化して、彼の実像にせまるというドキュメンタリーとファンタジーの中間に位置する作品です。

冒頭にはあくまでこれらから彼の人となりを部分的に解き明かしているに過ぎない、というような注意が入ります。

そう、誰も彼の真実は知らなかったというのが正しいのです。

誰でも理解されない秘密の部分はあるものですが、特に彼の場合は、人から謎の部分を多く持ち、極力外界との接触を避けていた人物だったため、少ない証言や残された文章からその人物像をぼんやりと描くことしかできません。

近所の人々は、彼を「ダージャー」と呼んでいたようです。
本人は南米育ちでまた別の偽名?を名乗っていました。


彼の実物の作品をはじめて見たのは
1993年に世田谷美術館で開催された「パラレル・ヴィジョン」というアウトサイダー・アートの展覧会だったかと思います。

この美術展はものすごく衝撃的でした。
カタログは手元にありますが、惜しむらくは全ての作品が収録されていないことで、また、実物の放つ異様な存在感は、目の前にしないとなかなか伝わってこないことがカタログを見てしみじみと感じました。
この展覧会は行って本当に良かったと思いました。あれだけすごいものを集めることはなかなかできないでしょう。怖い、というものが多かったです。

未だにこのときのビックリした感触は覚えていますね。

探してみたら、現在この本が出ています!
多分上記展覧会のカタログとほぼ同じ内容ではないかと思うのですが・・・。
この表紙の作品は、そのまま展覧会のポスターになっていました。
なんか、コワイ感じがするでしょう?
パラレル・ヴィジョン―20世紀美術とアウトサイダー・アート

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5 観客や画壇・批評家など眼中に無い、純粋な表現衝動に駆られた作品群
5 重いんで、買うなら通販で。


ヘンリー・ダーガーの絵は、ファンタジーという感じのかわいらしい少女たちが綺麗な風景の中で描かれているのですが、彼女たちは悪い大人と戦っているのです。

こんな感じの絵です。
ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で
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5 *ヘンリー・J・ダーガー ダーガーのココがすごい!*
5 これは誰にも見せるつもり無く描かれた世界
5 図版がきれいで見やすいです



こんなラブリーなのに、首を絞められる子供や、内臓をえぐられる子供など、えぐい場面が突然出てきたりもします。

2003年のワタリウム美術館の「ヘンリー・ダーガー展」も観ましたが、この時
感じたのは、首を絞められる子供の図が異様に多いことです。
なんとなくですが、この人は昔身近な誰かに首を絞められて、それがとても苦しかったという感触が残っているのではという気がしてしまいました。


今回、この映画でダーガーの半生が今までよりもよくわかったことと、『非現実の王国で』のストーリーの全容およびラストを知る事ができたのがよかったです。
アニメも実際のテイストをよく生かして作っていて、音楽も、ダコタ・ファニングのナレーションも雰囲気に合っていました。

席が微妙で首の位置がアレだったせいか、ときどき一瞬眠くなったり(ファンシーな感じ&淡々と語るナレーションなんでいい具合に気持ちよくなるときがある)しましたが、ヘンリー・ダーガーについての理解を深めるにはもってこいの映画だと思います。

美術手帖 2007年 05月号 [雑誌]

関連記事:非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎 Goo映画

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コメント
【高校の時に。】
こんばんわ!
おー。今、こんな映画をやっているのですね!私は高校の図書館でこの人の絵を紹介していた美術雑誌を読んで、衝撃を受けました。(そしてこの時初めてアウトサイダーアートという分野を知ったのです)

彼の絵は、彼の孤独な内面性を反映して、ある意味、根源的な恐怖をもった
作品が多いですよね、少女達に羽がついていて、ファンシーな絵柄でありながら、グロテスク。

個人的に彼の絵でもっとも衝撃だったのが、少女達にペ○スがついている事で、それは彼が「生涯女性を知ることがなく、男女の身体上の違いを
知らなかった為」というのを知った時です・・・・。

学術的な美術史では決してとりあげられない人ですが、興味深いアーティストだと思います。

【2008/04/14 20:34】 | Radiotom #LkZag.iM | [edit]
【Radiotomさま】
Radiotomさん、こんばんは~!わーい、コメントありがとうございます。
ちょっとマイナーなネタなだけに、反応がいただけるのはとても嬉しいです~♪

>おー。今、こんな映画をやっているのですね!

私も今回友人から誘ってもらってやってるのを知りました~。(ちなみにその友人とは一緒に2003年の展覧会も一緒に行きました。趣味が同じってのはありがたいことです)
>私は高校の図書館でこの人の絵を紹介していた美術雑誌を読んで、衝撃を受けました。
>(そしてこの時初めてアウトサイダーアートという分野を知ったのです)

Radiotomさんも多感な時期に出会われたんですね。
これ、初めて観たときはびっくりしますよね!なんか油断してたらぐっさりやられるというか・・・。アウトサイダーアート、昔から澁澤龍彦なんかは大好きですよね。
でも、観続けるのってちょっと辛い分野ではあります。

>彼の絵は、彼の孤独な内面性を反映して、ある意味、根源的な恐怖をもった
作品が多いですよね、少女達に羽がついていて、ファンシーな絵柄でありながら、グロテスク。

ファンシーなのにグロテスク、というこの落差に闇を見る思いですね。
楽園を築こうとする彼、神を求め、恐れ、時に神に怒り侮辱し、また反省し・・・という繰り返しの彼の心が、このストーリーにそのまま反映されていることが、映画でわかりやすく描かれていました。
実は物語には彼自身も登場してるんですよ。彼がどのような役割を果たしているかというのは非常に興味深い部分でした。

>個人的に彼の絵でもっとも衝撃だったのが、少女達にペ○スがついている事で、それは彼が「生涯女性を知ることがなく、男女の身体上の違いを
知らなかった為」というのを知った時です・・・・。

ついてない少女たちもごくたま~にいますが、基本的についてますよね。最初はここにびっくりしますよね。

女性に「レイプされた」と言ったという彼(そういう証言がありました)には、果たして実際に女性経験があったのかどうかというのは実は謎(似たようなことがあったのかも、と推測もできますが、実際のところは誰にもわからないのです)のようです。
母と死に別れ、そもそも母親を含めてあまり女性の裸体を見る機会のない欧米社会で育っている彼が知らない可能性は高いですよね。

どちらにしても、ナチュラルにつけてしまってるのはやはり独特ですね。彼自身の投影なのかもしれません。

>学術的な美術史では決してとりあげられない人ですが、興味深いアーティストだと思います。

知れば知るほど、彼の人生はものすごいです。
この長大な物語を描かずにいられなかったであろう彼の孤独を思うとなんともいえない気持ちになりますね。愛情の対象が欲しかったという彼は養子を希望してかなえられなかったりしているので、本当にこの物語が全てだったんだろうな、と思いました。
今回映画で初めて知ったことも多いので、かなり参考になりました。
【2008/04/14 22:07】 | しのぶん #VWFaYlLU | [edit]
【鍵コメさま】
はじめまして、ようこそいらっしゃいました&コメントどうもありがとうございました!あのヴィヴィアン・ガールのアニメは原画の雰囲気を生かしていて、とてもよかったですよね。

>ダビッド・べーというフランスの漫画家の「大発作」
>難治性のてんかんを患う兄と自分の心の成長を描いた自伝的作品

この方も壮絶な孤独と葛藤を抱えていた人なのですね。
不勉強でこちらの作品については知りませんでした。今調べたところ、昨年日本で刊行されたのですね。

映画でもなんでもそうですが、こういった作品に触れる時は、こちらも真剣に向き合う必要はあるので、自分のコンディションを整えて読みたいと思います。


貴重な情報を、どうもありがとうございます。
ちょうど、てんかんについては、実はよく把握していないという自覚があり、その話を家でもしたところだったので、非常にタイムリーでした。
これもまた知らなくてはならないものごとの一つだと思っています。

【2008/04/27 00:33】 | しのぶん #VWFaYlLU | [edit]
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