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「北斎-ヨーロッパを魅了した江戸の絵師-」

2008.01.23(23:44)
【1/22-23睡眠状況】残業してブログ作業をやって茶碗洗って入浴したら1:30就寝に・・・⇒バッカーノ続きを読んで2:00に寝る⇒6:30起床。4時間半。ちょっと油断するとすぐコレだ。日中眩暈がしたので、12時には就寝したいところ。


たまってしまっているアートレビューを見ると、すごくよかった!!と思った展覧会に限って、アレコレ書きたいことがたくさんあって後回しにしているうちにレビュー書きそびれる、という傾向があるのがわかりました(^^;)

すごく感動して「ああ、これはかなり気合入れて書かないと~」と思うのがいけないみたいですね(^^;)

あまり手間隙かけすぎず、他の方の参考になるようできるだけ会期終わる前にUPしたいと思います。


「北斎-ヨーロッパを魅了した江戸の絵師-」 江戸東京博物館


1/27まで開催中


ぐるっとパスで割引(1,300円⇒1,040円に)。

両国駅を降りたらいつもよりも活気があって、よく見ると大相撲初日
イヤな予感がして入場すると、そこは人人人・・・の展示室でした。
しばし、早起きできなかった自分を呪う。

前半は特にほとんどまともに見られる状態ではなかったので、見られそうなところだけ後ろの方がら覗いて空いている後半のコーナーへと急ぎます。

江戸東京博は混雑がひどいのと、半分観光客のため「美術鑑賞」という感じではない雰囲気の時が多いので、やっぱり早起きして朝一にさっさといくのがベストですね。
それか、平日。

20080114 (3)r



落ち着いて見られなかった分(題名などは見るのをあきらめ、見える絵を優先させて鑑賞したので)を補完しようと図録を購入。



第1部 北斎とシーボルト

オランダ国立民族学博物館、フランス国立図書館から北斎の肉筆風俗画40点が里帰り。

西洋画の影響を受けたこれらの絵は、「北斎」と言って思い浮かぶ浮世絵や北斎漫画とはかなり異なるイメージ。
これを最初にもってきたのはかなりインパクトありましたね。

そのせいか、人の行列がものすごいことに・・・(苦笑)。

立体的で西洋風の彩色をした不思議な雰囲気の絵は、北斎工房で作成されたもの。

中には北斎自身が描いたものや、北斎と娘応為の合作、弟子の魚屋北渓によるものと、バラつきはあるものの、どれもかなり似た画風です。

図書館に収蔵されているせいなのか、画面の目立つ位置にペタペタと赤い収蔵印らしきものが押されているのが個人的には気になるところ。

北斎は、出島のオランダ商館長(カピタン)であるヤン・コック・ブロムホフによる発注で日本の風俗をオランダ製の紙に描きました。(持ち帰ったのは次の商館長ヨハン・ヴィレム・デ・ステュルレル

また、シーボルトも同様に北斎に注文し、持ち帰っています。

北斎が画料をめぐってねぎろうとしたオランダ人医師とトラブルになったエピソードなどは興味深いです。


遠近法、キアロスクーロ(明暗法)を用いて描かれたこれらの絵は、不思議なことに日本人が見ても非常にエキゾチックに見えます。
年中行事や風景、職人たちの様子を題材にしています。

「武士と従者」
全体的に、「推定北斎」とされるものはより浮世絵っぽいデフォルメが効いているような印象。
長い白手袋をはめる武士の絵があるのですが、こういう手袋があったんですね。材質はなんだろう。
シーボルトの著書にこの絵とそっくりな絵が載っています。

「驟雨」
空の暗雲が臨場感あります。

人物像シリーズ
男の絵は髭剃り後や月代のうっすらとした青い色がリアル。
瞳に星のような光が入っているのも面白いですね。大正時代などのイラストや漫画に通じるものがあります。

女性は笹紅(緑色の紅)を下唇につけてます。リアルだとこんな感じの色なんですね。

「西瓜の陸揚げ」
昔の品種なので縞々がないですね。瓜に近い感じ。

「海女」
なんか妖怪の絵のような怖さがあります。身体のねじり方、灰色の海の中で半裸で髪をゆらめかせてあわびを取る3人の女の絵は、なんとなく子供が泣きそうな雰囲気があります。

第2部 多彩な北斎の芸術世界

このコーナーになるとようやくまともに見られるようになります。

紙の着せ替え人形の玩具絵や、
「○○とかけて××ととく心は△△」という文句の入った戯画「風流おどけ百句」のシリーズなど、楽しいものが多かったです。

「風流おどけ百句」---------------------------
 「金時とかけて地酒ととく心は鬼ころし」
 もともと辛口な日本酒の代名詞とである「鬼ころし」という言葉はこの頃からあるんですね(^^)





 「ばばさまの小言とかけて九月三十日ととく心は秋はてた」

等、思わず笑ってしまうものが多かったです。

あ、でもこれは意味がよくわからなかったデス。

「孕んだ男とかけて青梅ととく心はうむ子とがならぬ」
産むはわかるんですが、青梅をうむ、って「倦む」の字をあてるんでしょうか?(あきることがないという意味で)
-------------------------------------------



小さめの版画のシリーズ(ここは人だかりが・・・)で、「東海道五十三次」がありました。

じっくり見られない感じでしたが、それでも漫画的な伸び伸びした印象の人物描写が北斎らしくてよかったです。赤い色がベースになってる感じ。


上記とは裏腹に青い色が基調となっているのは「富嶽三十六景」
これぞ北斎、という感じで一度は見たことのある絵がずらり。

「駿州江尻」では強風で、野道を行く旅人たちの笠や紙がバラバラと飛んでいってしまって「あらららとんだ災難だなあ」というシーンが描かれています。大事な書類じゃないといいね。

北斎の絵は雄大な景色の手前でなんか一生懸命仕事している人物がいるのが、いいなあと思います。

有名な「神奈川沖浪裏」(↓の表紙)も、実は手前に大波に翻弄されつつも船を操る人たちがいますし。そういった生き生きとしたところが魅力だと思うのです。
千変万化に描く北斎の冨岳三十六景 (アートセレクション)
大久保 純一
小学館 (2005/08)
売り上げランキング: 10859
おすすめ度の平均: 4.0
4 心が洗われる「富士」の景色、北斎の四十六図。絶景哉


北斎の絵に描かれる人たちはなんだか楽しそうなことが多くて、一緒になってそこに入ってみたくなります(^^)

「百物語」、有名な「さらやしき」のお菊のデザインはユニークですよね。

「諸国滝廻り」「養老の滝」は迫力がありました。

「諸国名橋奇覧」-------------------

「三河の八つ橋の古図」


画面の構成の関係からそうなってるらしいのですが、なにこの意味のない傾斜は?というよくわからない作りの橋は気になります(^^)

「飛越の堺つりはし」


手すりもなりもなくて思いっきりしなってるハンモックみたいに見える恐ろしい吊り橋が・・・。ある意味この絵が一番怖かったかも。(高所恐怖症)

「かうつけ佐野ふなはしの古づ」は群馬県高崎市の船をつなげてつくった橋。


「船橋」については、将軍が渡る時に特別に作られる「御船橋(おふねばし)」というものもあるということを以前妖奇士のレビューでも書きました。
------------------------------


「四姓ノ内」のシリーズは武具やゆかりの品と「源平藤橘」の4家の姓を象徴する絵。

どれも装飾など細かく丁寧に描写され、美しいです。
「源」のカラスがポーズといい、色といいくっきりしていてよかった。


最後に、美人画について発見したこと。

「文車わきの女性」「夏の朝」「擣衣美人図」

襦袢、半襟、浴衣などが「よれよれ」とした線で描かれているので気になってよく観たのですが、おそらくこれは絞りあるいは楊柳綿のような凹凸のある布の表現なのではないかと思いました。
それらしき素材を使いそうなものだけがこの線で描かれているので、なるほどと思いました。

※擣衣とは、砧(きぬた)で衣をうつことです


時間切れなので、北斎漫画展についてはまた今度。

もしこの記事が参考になりましたら、よろしければポチっとな★してくださると嬉しいです(*^^*) ↓







<<「北斎漫画展」 | ホームへ | 本日の学習【漢検1級】>>
コメント
【北斎】
こんばんは。

重厚なレポートですね。
北斎に対するオマージュのようです。

しかし、あのカピタンが北斎一門に
描かせた絵は自国ではどんな評価を
受けたのか気になりますね。
【2008/01/25 18:34】 | Tak #JalddpaA | [edit]
【Takさま】
Takさん、こんばんは!コメントありがとうございました。
レスが遅くなり、申し訳ありません(汗)

もっと短くするつもりでしたが、気がついたらなんか長くなってしまいました(^^;)

>自国ではどんな評価を
受けたのか気になりますね

Takさんの記事にあった指摘、なるほど~と思って拝見しました。
あの絵は新鮮でしたが、アヤシイ感じで日本人からみてもなにか異様な雰囲気がありますよね。
向こうの人から見たら「不可解&不気味」という感じで浮世絵よりも不評だったんではないかな~という感じがします(^^;)


【2008/01/27 00:16】 | しのぶん #VWFaYlLU | [edit]
【】
こんにちは!
コメント&TBありがとうございます。
そうか~大相撲とかさなると混みまくるのですね!
それは気をつけなくてはいけないポイントですね…。

私は平日で結構じっくり鑑賞できましたが変なおじさんにマークされたのがいやでした(苦笑)なんとか間をあけてのがれましたが。空いてるのもたいがいです。

お仕事もされているのでアートレビューはさくっと、睡眠時間確保第一でお体大事になさってくださいね!
【2008/01/31 14:48】 | はな #- | [edit]
【はなさま】
はなさん、こんにちは!!
コメントありがとうございました&レスが大変遅くなってしまい申し訳ありません(汗)

そう、そうなんですよ。
江戸博は、相撲シーズンと重なるととんでもないことになります(^^;)
以前にも何度か懲りたのですが、チェックしてませんでした・・・というよりもこの日しか時間が空かなかったので仕方ないのですが。
でも、朝早起きしてたどりついていればもう少し余裕があったかな、と反省してます。

空いてる時に変なおじさんにマークされる・・・私も何度かあります(^^;)
いや、別にいいんですけどね、友人でも独立して一人で見るタイプなので、知らない人に話しかけられ続けるのは困りますよね(--;)

暖かい言葉、ありがとうございます、睡眠確保を今年は気をつけて楽しく元気に過ごしたいと思います。
はなさんも寒いので身体には気をつけてくださいね~!
【2008/02/03 15:39】 | しのぶん #VWFaYlLU | [edit]
【】
しのぶんさま、こんばんは!

コメント返し(笑)じゃないのですが、今、名古屋に北斎展きています
終わる前に何とか見に行こうと計画中デス

しのぶんさまの影響キターって感じデス、うふふ

【2008/02/19 23:35】 | しばねこ #- | [edit]
【しばねこさま】
しばねこさま、こんばんは!!
お返事が遅くなってしまい、すみませんでした。

おお、今名古屋で北斎展をやっているのですね~。
全国で巡回している展覧会なども多いので、東京での会期が終わったものでもなるべく記事にしなくては、と思います。

北斎の最初の肉筆画が「こんなの初めて見た!」という感じで、見所だと思います。好きか嫌いかというと、異様過ぎて好きとは言えないのですが、すごく面白いです。

お時間の都合がつきそうでしたら、是非ご覧くださいまし~。
【2008/02/21 23:11】 | しのぶん #VWFaYlLU | [edit]
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