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東京都写真美術館・前編

2006.12.13(00:37)
ぐるっとパスを利用して、恵比寿の東京都写真美術館に今回はじめて出かけました。

恵比寿には映画を観によく行くので、以前からこの美術館のことは気になっていたのですが、なかなか寄る機会がなかったのでぐるっとパス購入が良いきっかけになりました。
ぐるっとパスで無料で入場できたのは「ポスト・デジグラフィ」のみですが、ついでに他の展示もしっかりチェックしてきました。

結論としては、どれも見ごたえがあて面白かったです。
今回の反省としてはもっと時間の余裕を持って出かければよかったなあということです。
あと、目が疲れたのでブルーベリーのサプリを現場で飲むくらいの準備をするのがよいかと思います。
(理由はレビューに書きます。)

夕方いろいろ用事を済ませてはしごした後最後に見るのは体力的にかなりキツかったです・・・(^^;)

東京都写真美術館は恵比寿のガーデンプレイスにあります。

時間が押してたので、動く歩道(NOT「歩く歩道」)の上をさらにどんどん歩いて時間短縮。ガーデンプレイズ到着後も、意外と奥にあって歩くので、がんがん急ぎます。

ポスターなどは目立つように貼ってあるのに、肝心の入り口が小さくてイマイチわかりにくいような気がする。暗いし。「え?ここ裏口ですか?」みたいな感じ。
■ 「HASHI(橋村奉臣)展 一瞬の永遠 & 未来の原風景」

[東京都写真美術館のページより抜粋]
ニューヨーク在住の写真家・橋村奉臣は、アメリカで「HASHI」の名で呼ばれ、(中略)超高速のスピードライトで、肉眼では捉え難い瞬間をとらえ、オブジェの移行を永遠の時間のなかに凍結させる技法を「アクション・スティル・ライフ」と名づけ、ニューヨークの広告界で高く評価されました。

「一瞬の永遠」ではニューヨークに渡り、写真家として不動の地位を築いた代表作「アクション・スティル・ライフ」と「スティル・ライフ」から約40点を紹介。

「未来の原風景」では、橋村のオリジナル「HASHIGRAPHY」の作品を約50点厳選し、写真と絵画を融合させた作風の中に、「今から千年後、西暦3000年の未来社会で生活する人々の目に、現代がどう見えるか」という橋村のメッセージを探る。


上記にある通り、2部構成の展示です。

1.「一瞬の永遠」
最初に見た展示です。ものすごくビビット&フレッシュな写真が目を引きます。明るい空間に大きなパネルの写真が並びます。
シャンパンが瓶から吹き上がる瞬間、投げ入れられた豆が、今まさに水面にぶつかり、沈む瞬間。

特に「水」の一瞬の表情を特殊撮影によって、鮮やかに捕らえていて観ていて非常に気持ちがよいです。

果物や水、ワインの色が目に飛び込んできます。何より、水、という流動する物質のダイナミックな動きは決して肉眼では捕らえられない、誰も見ることのできない世界を表出しています。

どれも日常にありながら、見事に非日常を演じる物質がモデルになっています。
はじめの方の鮮やかで美しく、みずみずしい対象の写真群の後には、果物が次第に黴に侵されてゆく様子、瓶等が汚れていく様子など、鮮やかだったものが変わり果てるというテーマに変化しています。

これらもまた、通常、われわれはここまで変化するまで観察しないという意味では、非日常の世界です。
個人的には、水の躍動を移した広告写真群がやはり見ていてスカッとしていて好きですね。

2.「未来の原風景」
明るい空間から一転、暗い展示空間に並ぶ小さ目のモノクロ写真群は、先ほどの作品とうってかわって生命感や躍動感のない、オブジェと化した世界を見せてみます。

言われなければ同じ人が撮っているとはわからないと思います。

すすけたモノクロームの写真は、今まさに遺跡から掘り出された古代の記録のような印象を受けました。
そこには現代のさまざまな風景が閉じ込められ、風化して過去のものとなり固まっています。

写された人間も彫像も建物も、みな等しく時間のフィルターの向こう側にあり、遠い風景として一体化しています。
まさに、「未来の原風景」です。

実は上記のコンセプトについての説明は今読んだのですが(展示場所が暗すぎて現場ではあまり読めなかった)、受けた印象がまさに作者の意図だったと知って納得しました。
50年、100年も前のものを見るような視点で切り取られた世界。
この写真を見ていると、跡形も無くなった荒れ果てた世界で、たった一人で偶然これらを手にして見ているような感覚になります。観ているこちら側が別の場所になっているかのような、不思議なトリップ感があります。



■「石内都:mother's」展
2番目に見ました。

まず、会場に入って驚くのはそこに流れる音楽「G線上のアリア」です。

大きなパネル写真にはどれも、古びた道具、下着、皺の寄った老人の肌のアップです。

必ずしも美しいとは言いがたい、生活感にあふれすすけたそれらへの執拗な視線。
皺だらけの老女の肌や、ガードルの股の部分などの生々しい個所をあえて中心に捉えてを容赦なく写し出すという行為。

男性ならばここまではしないだろうという、ある種独特の容赦のなさを感じました。

「これが男性だったら(名前を見たとき女性とはわかりませんでした。よく考えたら女性名なんですが。)なにかおかしい」「普通の母子関係ならばこんな写真はとらないであろう」と思って展示のパネルを見ると、やはり作者は女性で、生前母親への感情的葛藤があった旨が書かれていて「やはり」と思いました。

母親の生々しい遺品をある種「晒す」行為。

しかも下着などの女性であるなら本来見せないもの、見せたくないものを。

無意識の悪意とまではいいませんが、そこには単なる母親への追慕だけではない、ある種の感情の葛藤を感じます。

憎しみというのは言い過ぎですが、「一人の【女】としての母親」について、遺品や身体を公の場に一旦突き放すことで、自分の中の気持ちを整理し、昇華している過程を見るような気分になりました。

特に下着の股間部分への執拗なクローズアップは、「自分を生んだ一人の女性」としての母親を捉え直そうという試みのようにも感じられます。

家をじっと、ゆっくりと捉えなおす映像、鮮やかな紅の肌襦袢を映し出す映像、どれも目を逸らさずにそれこそ「穴が開くほど」見つめ、撮影する作者の姿が浮かび上がってきます。

複雑な気分になりつつ、奥のブースに入ると、映像作品が。

この映像はシュミーズのアップを角度を変えて延々と映し出すもので、あまりにも近くに寄っているために、繊維やレースが「下着」というよりは純粋に白い美しい幾何学模様を描き出しているように見えます。
バックにかかる美しいG線上のアリアの旋律とともに映される白く透明感のある世界からは、これらの作品を通して、「今まさに、ようやく作者は母への思いを昇華した状態なのではないか」という印象を受けました。

音楽の美しさがなにかを浄化している象徴のようにも受け取れました。
この作品は他のものに比べて、純粋な母親への追悼が伝わってくるように思います。

突き放しつつも目をそらさずにじっと遺品を見つめ、そこから母親を見つめ、母への自分の感情を見つめる。
そうして今ようやく追悼することができた、そんな自分の気持ちの整理の過程を観たような気になりました。

多少自分自身の内面(美術作品を見ることは、結局自己の内面世界との対話に他ならない面もあります)をオーバーラップさせてしまった感もありますが、単純な親を慕う気持ちだけではこういう写真にはならないだろう、という確信は間違っていないと思います。

最初はちょっとそういう意味で居心地が悪かったのですが、映像作品を見て作者がなんとか自分で気持ちを整理しようとした姿勢が感じられて救われたような気分になりました。

[東京都写真美術館のページより作者のことばを抜粋]
そもそも、私が「mother's」の原点ともいえる母の皮膚を撮り始めたのは6年前。
母が84歳を迎えた日でもありました。
その頃、岡本太郎美術館で震災にまつわる作品を発表することになったため、
関東大震災、阪神淡路大震災をキーワードに、
どちらも世代的に経験している母の火傷の痕を撮り始めたんです。
ところがその後、半年も経たない間に母は入院、余命2ヵ月と宣告されました。
その時に撮った写真が皮膚と手や足です。
母が残していった生々しい遺品のやり場にも戸惑いを感じていました。
タンスを開ければ母が着ていたシュミーズやガードルがたくさん出てくる。
口紅、鬘など直接、母が肌にまとったもので、肉体はもうどこにもないけれど、
それを着た母の皮膚はいっぱい詰まっているんです。人にあげるには粗末なものだし、
私が着るわけにもいかない。でも、捨てることはできない。
悩んだ末、写真を撮っておけば、
捨てられるかもしれないと思って遺品に向き合い始めたんです。
遺品を撮影するというのは、ある種、対話みたいなもの。



■「ポスト・デジグラフィ」

⇒長くなったので、後編にまわします。

あと、落ち着いたらチラシなどの写真も後日一緒にUPしたいと思います。

よろしければポチっとな★してくださると嬉しいです(*^^*) ↓

<<東京都写真美術館・後編 | ホームへ | 好きなものバトン>>
コメント
【なるほどー】
こんばんは。
コメントありがとうございました。

感想読ませて頂きました。
なるほどもっともですね。
私の見方まだまだ青いです。

そうかーそう考えると
なるほどなーーっと一人で
記事拝読して唸ってしまいました。

ありがとうございます。
【2006/12/13 00:50】 | Tak #JalddpaA | [edit]
【Takさま】
こんばんは。早速のご訪問ありがとうございます。

なにか必要以上に自分の思い入れを書き綴ってしまったような気がして、ちょっと恥ずかしいような気もするのですが・・・とりあえず、私自身の率直な感想はこんな感じでした。ブラックすぎる気がしないでもないです。

人によって受け取り方が違うのがまた面白いので、真っ先にTakさんの感想記事を拝見しにうかがった次第です。

拙い感想にコメントくださりありがとうございました。
【2006/12/13 01:01】 | しのぶん #VWFaYlLU | [edit]
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【2006/12/17 14:53】
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