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東京国立近代美術館「吉原治良」展 他

2006.07.17(15:40)
竹橋の東京国立近代美術館にて以下の展示をを観てきました。

「吉原治良」展
「持続/切断-毛利武士郎・村岡三郎・草間彌生・河原温」/
「所蔵作品展 近代日本の美術」

いずれも7月30日まで。
「吉原治良」展のチケット※で、上記すべてが観覧可能です。

※一般800円(700/600円)、大学生500円(400/350円)
 高校生300円(250/200円)、小・中学生無料

割引引換券がWEBのページにありますので印刷するのをオススメします。
しのぶんは、印刷していたくせにうっかり窓口で出すのを忘れてしまいました・・・(涙)


金曜日は夜8時(入館は7時半まで)まで開館しているため、例によって仕事は定時で切り上げて向かいます。

今回は館内は落ち着いていて、単独で来ている仕事帰りの人が多いです。
■「吉原治良」展

吉原治良については、この展覧会のポスターになっている■「「黒地に赤い円」を「なんか見たことあるかも」という程度の知識しかありませんでした。

そんなわけで、実は特に興味がなかったのですが、そういう「知らない」画家や「あんまり実は好きではない」画家の場合の方が、実物に触れて発見することが多いので、行くことにしました。

結論から言うと、今回も行って大正解でした!

丸をぐりん、とかいてある抽象画にいたるまでの道程がとても面白かったです。

自分では抽象を描かないので、抽象にいたる心理(絵の先生によると、美大へ入学するまでにオーソドックスな技法は飽き飽きするほどやったために抽象に走った、というケースが割と多いらしいデス)には以前から興味がありました。

吉原治良の場合は初期の具象の作品を見ても、必然的にここに至ったのだなあと思わせる独特の雰囲気がありました。

以下、個人的な感想です。絵の感想は観た人それぞれで違うと思いますので、あくまでしのぶんの印象ということで。

※項番は、見易さのためにつけた便宜上のものなので、実際の展示の割り振りとはやや異なっています

(1)初期の魚や、花の静物画。
地中海を思わせるような明るい、乾いた風景の中に置かれた魚や花が、なんだか不思議な現実感のない空間を作り出しています。

空の青さが印象的。

飛んでいる鳥も、躍動感のあるポーズに反して永遠に固まっているように見えます。
画面に描かれている生物、静物の全てが、均質に明るい空気の中で静まり返っているような印象。奇妙な静寂を感じさせます。

ちょっとキリコの絵に近い感じだなあ・・・と思ったら、影響を受けていたようですね。
シュルレアリズム的な世界と解釈すると納得できます。

特に、魚はリアルに描かれているにもかかわらず、古代のフレスコ画のような独特の「様式美」を感じさせます。

(2)水族館シリーズ(?)
水族館シリーズも、好きです。
描かれる魚は、しかし泳いでいるというよりも、空中を漂っているような、なにか夢の中にいるようなイメージです。絵本もよかったです。

海辺の静物のシリーズでシュルレアリズム傾向はさらに進みます。

彼の魚をモティーフとした初期作品にも言えることですが、遠く抜けるような空や、水族館の水など、彼の作品の中には独特の広がりのある空間が感じられます。

それは、抽象の作品についても当てはまるような気がします。

みっちり塗りたくられているかに見える抽象絵画でも、不思議と絵の中に奥の方へ広がってゆく広いスペースが見えるような気がするのです。

彼のアトリエのあった海辺の影響なのか彼自身の心象風景なのかわかりませんが、観ているとその遠くまで続く空間を感じ、そこに引き込まれてゆく感じです

(3)過渡期?の静物画
面白いのは、生きているものが静物のようになっており、無生物と均質になっているという印象がさらに強化された感のある、麦藁帽子と服を描いた静物画です。
ここでは、むしろ生きていないはずの帽子や服がまるで生きているかのような、生命を感じさせる描かれ方をしています。

上記のように思ったら、その絵のラフ?らしきものが横にあり、そこにはしっかり手足の生えた服のモチーフが!この服生きてるヨ!という感じで、やっぱりそうかと得心。

引き出しに入った作品をそれぞれ引っ張り出して、見るようになっている面白い展示方法がありました。
近くに人がいると、思ったように見られないので、それほど混雑していなくて幸いでした。

(4)過渡期?の風景画及び初期の抽象
住宅地の開発途中の丘の風景画は、だんだんと抽象的になっていってます。
完全な抽象画も、上記の通りの空間の印象が、観ていて好きです。

この抽象画のシリーズはカタログで観るよりも、実物を見たほうがその広がりを感じ取れるはず。

(5)戦時中の具象
その後、また具象が現れますが、戦時中の前衛への圧力の影響と思われます。

「防空演習」はリアルな戦時の日常風景にも関らず、集まる防空頭巾姿の女や子供たちの姿は、なにかミサに出席しているような一種荘厳な雰囲気です。

昆虫や、犬、鳥と風景が描かれる、霧がかかったような感じのシリーズは、さみしい夢の中にいるような感じがします。

(6)不気味人物シリーズ
人物については、
その後抽象的な記号のような表現になったり、
記憶の中でぼやけてしまったように判然としない煙のような表現になったり、
果ては黒い背景に青みがかった不気味な存在として浮かび上がってきたりしています。

鳥と一体となった感じの少女あるいは女性のシリーズは「一体何があった?!」と思うような不気味な絵になっています。

(7)その後の抽象
黒白の線で覆われた抽象画も続きます。(でも、やはりどこか奥行きを感じさせるのはかわらず)

そんな中、線で表現されたネコと魚の絵にちょっとなごみます。

純粋に塗りたくった効果が面白いから、というようなことを作者が言っていたという抽象シリーズも、おそらくはかなり緻密に空間を計算して描いているのではないか、と思いました。

図版でみるだけだときっと興味がわかないだろうなという、実際に見ると「なんだかわからないんだけど、好き」という感じになる作品も多いです。

抽象の場合、本当に色とかバランス、質感を純粋に好きか嫌いか、という感じで見てしまいます。

特に、質感は実物で観ないとなかなか伝わらないので、近くで見る必要を感じます。

抽象絵画のシリーズを追っていくと、混沌とした空間に、徐々に前面にひらめく何かが現れてきます。

それはだんだん形をとるようになってきて、ついに円になってゆく、というのがうかがえる展示でした。

(8)ついに最終形態!
代表作になった、円を描くシリーズは、なにか
「ついにここに行き着いた!」
という声が聞こえてくるようなものすごい勢いを感じさせます。

「書のような一筆書きではなくあくまで計算された抽象絵画」という解説が表示されていましたが、本当にその通りで、実物を見ると、一見似ているように見えますが書とは全くの別物であることがわかります。

空間からにゅっと現れる円の存在感。

大きいというのもありますが、非常に迫力があって、睡眠不足だったせいか眩暈まで覚えるほどでした。

青と赤で彩られているものは本当に、くらくらしました。

思った以上に迫ってくる迫力。
これが評価されたのも納得です。これは図版では再現しきれないと思います。
独り大興奮して出てきました。

「抽象ってちょっと」と思われている人は一度観てみると面白い展示だと思います。


■「持続/切断-毛利武士郎・村岡三郎・草間彌生・河原温」
非常に小さいスペースで、一人2点ずつの展示です。

「それぞれの作家の2つの時期(初期・近年)の出品作」ということで、傾向の違う作品を見られるようになっています。

草間彌生はいかにも彼女らしい。観ていて「うわああ!」と生理的にぞわぞわするような赤のコマコマ模様びっしりモノと、意外と普通の絵が展示されています。

毛利武士郎という人ははじめて観たと思いますが、どちらの作品も好きです。


■「所蔵作品展 近代日本の美術」

最近はゴッホ展、藤田嗣治展と、続けてこの美術館に来ていますが、今回は常設展も随分入れ替えがありましたので、春以来まだ行ってないという方は是非常設展もチェックしてくださいね

常設展に新たにラミネート加工の「見所」ガイドが(見たらラックに返すしくみ)置くようになり、美術館の方でも色々工夫しているのが伺えます。
夏休みに向けて、わかりやすい展示を心がけたという感じでしょうか。

「油断」という屏風絵の鎧の印伝に見入ってしまいました。
あと、オキーフがあったことにちょっと驚きました。
古賀春江と特集コーナーもありますが、展示されている下絵の参考として、完成図版がファイルにとじてベンチに置いてあるので、手に取って見るとより楽しめると思います。

長々とつづってしまいましたが、もしひっかかるものがあって自分でも見て確かめてみよう!と思われたなら幸いです。

観た後で、自分はちょっと違うと思った、など色々な感じ方があると思いますので、もしなにかありましたらお気軽にコメントをお寄せくださいまし♪
他の人の感じ方や考え方を知るのもすごく楽しいので。

新たな絵と皆様の間に幸せな出会いがありますように★

長文におつきありくださり、ありがとうございます。

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