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「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展」その2
前回の記事の続きを書こうと思いつつ、放置してたら1ヶ月以上経ってしまいましたとさ。
実は久しぶりにひどい風邪をひいて珍しく1週間ほど寝込んでおりました。
同じ症状の人が多いのですが、高熱が出て咽喉が腫れて咳が続く感染型のものが大流行です。気をつけてたんですが、かかってしまいました。
呼吸がかなりきつかったです。不思議と鼻詰まりはなかったのですが。
てなわけで、さすがにジムも稽古も休んでおとなしく過ごしておりました。
仕事が忙しいときでなくて良かったです~。
うつった場所は心当たりあるのですが、いつも用心してアルコール除菌してたのに当日たまたましなかったのが敗因です。
皆様もこまめな消毒などをして、ご注意下さいね。
「地理学者」以外の絵について、覚えてる範囲で、各コーナーごとに一言感想。
■「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展」Bunkamuraザ・ミュージアム
→公式ページ
※5月22日(日)で終了
■歴史画と寓意画
『ネズミのダンス』
小さい作品ですが、キュート!
ダーフィト・テニールスII世『錬金術師の工房のキューピッド』
画面中央上になにやら丸い物体があります。
はじめシャボン玉かと思ったのですが、よく目をこらすと紐みたいのがあるので物理的に吊り下げられているのがわかるのですが、水晶なのかガラスなのかは謎。
光の感じからと、錬金術師の工房なので、神秘的なグッズとして水晶なのではないかと思います。
レンブラント・ファン・レイン『サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ』

精神を病むサウル王の前でダヴィデが美しい音色を奏で、ついに王の病を治すというエピソードがあります。
ここでは、まだ聴き始めたくらいなのでしょうか、サウル王の猜疑心に満ちた表情が秀逸。
バルトロメウス・ブレーンベルフ『聖ラウレンティウスの殉教』
格子型の鉄の台にくくりつけられて横たわる聖ラウレンティウス。
ほとんど人間焼肉状態。えぐい。
ローマ兵たちはいかめしいというよりはなんとなく楽しそう&リラックスしてる感じなのがまたいやん。
この絵は裏側がカーレル・ファン・マンデル『洪水以前/寓意画』の風景画になっています。
こちらに描かれた裸の男女のプロポーションがのっぺりしていて、マニエリスム全開。
■肖像画
オランダ絵画は肖像画、室内画、静物画がやっぱり秀逸ですが、特に肖像画は興味の引かれる絵が多かったです。
コルネリウス・デ・フォス『画家の娘の肖像』
ものすごい健康優良児な感じのかわいい子供。ビスコとか肝油ドロップとかのデザインに使ってもしっくりきそう。
淡い色の髪の子だと、やっぱりまゆげうすいよね。手になにか持ってるんだけど、食べ物なのかおもちゃなのかわかりづらいな。
正解はクッキーらしいんだけど、なんかかたくてバラバラになったヘンな物体にしかみえん。
フェルディナント・ボル「若い男の肖像」
繊細で胃をすぐにキリキリさせてそうな、育ちのよい感じの男性。つきあうのはいやだ。黒い衣装と白い襟、顔の陰影などのコントラストがレンブラントっぽい。
と思ったらレンブラント工房にいたらしいです。納得。
フェルスプロンク『椅子に座った女性の肖像』

江角マキコを西洋人にして品よくした感じの、ちょっと鼻がどっしりとしていて美人というわけではない女性ですが、強い意志と知性を感じさせる顔立ちが不思議と魅力的。
・・・なんか、色々失礼な表現だったかと反省。でも「凛とした感じ」がして素敵だということを言いたかったのさ!
この時代の肖像画はシャワーハット襟(すみません、勝手に呼んでます。いわゆる「襞襟」デスね)の表現につい見入ってしまうのですが、この肖像画の襟もなかなか素晴らしいです。
バーレント・ファブリティウス『自画像』
マイケル・ジャクソンに似て蝶。
その場にいた人全員同じ感想を言ってました。
■風俗画と室内画
ピーテル・コッド『演奏家たち』
ハーディ・ガーディという、ヴァイオリンとバンドネオンやストリートオルガンを合体させたような楽器が印象的。傍に実際のものがおいてあったのでじっくり見てしまいました。
アドリアーン・ブラウエル『苦い飲み物』

今回の展示品中、ナンバー1のインパクト!
タイトルどおり「苦い!」というのがビシバシ伝わってきます。
「まずい!もう一杯!!」とアテレコしたくなりました。
ヘリット・ダウ「夕食の片付け」

ろうそくに照らされた2人の女性の姿と背景の室内の闇が、ジョルジュ・ド・ラトゥールの絵を想起させます。
光と闇のコントラストが印象的と思ったらこの人もレンブラントの弟子でした。
この絵も好きです。
ディルク・ファン・バビューレン『歌う若い男』
カラヴァッジオっぽい!
無意味にはだけてちょっと赤ら顔の歌う男。
この肌脱ぎは誰へ向けてのサービスなのか不明すぎる・・・。
鎖骨とか肩、首の筋肉の表現はすごいので、筋肉好きには良いかもです。
アドリアーン・ブラウエル『足の手術』『背中の手術』
痛そう。
ダーフィト・テニールスII世『居酒屋でタバコを吸う男』

なんというか、ヨーロッパの風俗画で庶民が出てくるところを見るとまず「小汚ねえな」と思ってしまいます。
ほこりっぽさとか、床に落ちてるゴミとか、たとえば江戸の町に比べると近代までかなり衛生状態がひどかったというのが窺えるような感じ。
豪奢な貴族の館と対比すると庶民の世界のごみごみして、すすけた感じがよくわかります。
変な饐えたような臭いがただよってきそうなくらいに、絵としては描写が素晴らしいと思うけど、これをわざわざ部屋に飾りたくはないなあ。
当時の金持ちたちは酒屋でよっぱらった小汚い皆さんの絵を喜んで飾っていたらしいんですが、その感覚がよくわからん。
屠殺された動物の絵とか、殉教の絵とかも一緒デスが(^^;)なんか風水に悪そう。
■静物画
わりと今まで見たことのあるような作品が多かったです。
花の絵は、虫などを見つけるのが好きですね。
ほんと、死んだ動物を並べちゃうのはやめてほしい。そして居間とかに飾るのもやめてほしい。
ピーテル・ド・リング『果物やベルクマイヤーグラスのある静物』
この作者は自分の名前がリングなので、サインのかわりに絵の中に金の指輪を描き込んでいるという特徴があります。
さくらんぼがものすごくみずみずしく描かれています。ジュウウシィイイイ!!
一番美味しそうに見えた絵です。ほとんど半透明のグミみたいになってました。
■地誌と風景画
ここでもデルフトの教会の絵など、見たことのある絵が数点ありました。
ルーカス・ファン・ファルケンボルフ『スヘルデ川の彼方に見るアントワープの冬景色』

ブリューゲルかと思いました(^^;
構図にラインを感じられる構成。
川、町、人、道、木がそれぞれ一定のライン上に並んでいてすごく計算されて描かれていると思います。
ヤン・ファン・ホイエン『砂山を通る道』『村の道』『人々が休息する村の道』『宿屋のある風景』空が広々としている農村風景。飾るならこの辺がいいですよね!<何の話&何様
アールベルト・カイプ『羊の群れのいる風景』
手前に後ろ姿の羊飼いと犬、座り込む羊たちは夕日を浴びているのですが、光の当たり方が綺麗です。臨場感があります。
アールト・ファン・デル・ネール『夜の運河の風景』
満月の輝く夜、運河に映った月とその周辺がぼんやりと幻想的に描かれています。
■おまけ
グッズ売り場に、フェルメールのガチャガチャが置いてありました!
全部で4種類ですが、いきなり『地理学者』が出て、『牛乳を注ぐ女』もついで出ました。

ドールハウスを作ったらこれを部屋に飾ろうと思います!(いつの話だ)
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